生前贈与とは、生きている間に財産を配偶者や子、孫などに贈与することで、死亡してから財産を承継することを相続とは異なります。 生前贈与には相続税相続財産を減らすことによる節税効果以外にも、多くのメリットがありますので、早めに検討するようにしましょう。
生前贈与のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
生前に財産を承継できる 法律で定められた相続人以外の人に財産を移転することができる 生前に本人の意志で財産を移転できるため、トラブルになることが少ない 暦年贈与とすることで、「年110万円/人の基礎控除」を使うことができ、節税できる 生前から財産を移転することで、相続財産を減らし、相続税額を下げることができる | 後になって、生前贈与と認められない場合がある(契約書の不備等) 基礎控除額の範囲を超えて贈与をする場合には、贈与税が発生する 相続発生前3年以内の贈与には相続税がかかる 民法で定める「遺留分」を侵害した場合、遺留分減殺請求をされる場合がある |
代表的な活用法
年贈与とは、一人あたり年間110万円までであれば贈与税がかからないという基礎控除を利用した相続税対策。
ただし、定期贈与とみなされると基礎控除が初年度しか適用されなくなってしまう可能性があることと、贈与をする際には「贈与をした事実を証明できる状態」にしておくことが必要です。
- 1. 相続時精算課税制度の適用
-
贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類がありますが 、「相続時精算課税制度」を選択すると、60歳以上の親または祖父母が20歳以上の子・孫に贈与を行った場合、最大2,500万円まで非課税とすることができます。
- 2. 贈与税の配偶者控除の活用
-
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに 最高2,000万円まで控除(配偶者控除)ができるという特例です。
- 3. 教育資金の一括贈与に係る非課税措置(令和5年3月31日まで延長)
-
親や祖父母(贈与者)が、30歳未満の子・孫(受贈者)へ教育費を贈与した場合、受贈者1人につき1,500万円まで非課税とすることができます。
尚、非課税枠は学校などに直接支払う場合は1500万円までですが、学校以外の塾や習い事なども上限を500万円として教育資金に含めることができます。 - 4. 住宅取得等資金贈与非課税制度等の拡充
-
- 非課税限度額を最大1,500万円に拡充されます(適用期限 令和3年12月31日)
- 床面積要件の下限を40㎡以上(現行:50㎡以上)に引き下げられます
- 5. 結婚出産子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度
-
- 令和5年3月31日まで延長されます
- 死亡した贈与者に係る管理残額は相続等により取得したものとみなされ、相続税の対象となります
- 受贈者の年齢要件の下限が18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げられます
※上記にはそれぞれ細かな条件がありますので専門家にご確認下さい。
非上場株式等について贈与税の納税猶予の特例
後継者である受贈者が、贈与により、都道府県知事の円滑化法の認定を受ける非上場会社の株式等を先代経営者である贈与者から全部または一定数以上取得し、その会社を経営して行く場合にはその経営していく場合には、その経営承継受贈者が納付すべき贈与税のうち、その日上場株式等(一定の部分に限ります)に対応する贈与税の納税が猶予されます。
税理士法人TARGAでは相続税申告のみならず、相続手続全般のサポートを行っております。まずは、お気軽にご相談下さい。