相続と贈与
【2025年02月03日】
相談者「“相続”対策のために“贈与”をしましょうと言われました。相続と贈与はどのように関連するのでしょうか?」
弊社ご案内「“相続”と“贈与”の違いを知って、それぞれを上手く活用しましょう。」
“相続”と“贈与”は「財産が移る」ことでは同じですが、タイミングが異なります。
どちらも財産を受け取る側が申告・納税をする税金です。
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相続 | 贈与 | |
---|---|---|
死亡した後 | 財産が移るタイミング | 生きている時 |
亡くなった人のすべての財産 | 対象財産 | 贈与契約によって譲り受けた財産 |
亡くなった人が基礎控除額以上の財産を持っていた場合にかかる | 税金 | 贈与契約により基礎控除額以上の財産を譲り受けた場合にかかる |
3,000万円 +(600万円×法定相続人の数) | 基礎控除額 | 110万円 |
課税対象 相続税率 1,000万円以下 10% 3,000万円以下 15% 5,000万円以下 20% 1億円以下 30% 2億円以下 40% 3億円以下 45% 6億円以下 50% 6億円超 55% |
税率 | 課税対象(贈与額から110万円を引いた金額) 贈与税率 200万円以下 10% 400万円以下 15% 600万円以下 20% 1,000万円以下 30% 1,500万円以下 40% 3,000万円以下 45% 4,500万円以下 50% 4,500万円超 55% ※直系尊属からの贈与の場合 |
相続税は亡くなった人が相続発生時に持っていた全ての財産に対してかかるため、課税対象額は多くなりやすいです。そこで、生前贈与を行うことによって相続財産を減らしておけば、相続税の課税対象額を下げられます。相続税は、財産が多いほど税率が高くなる累進税率なので、課税対象額が低いほど税率が低くなって有利です。
一方、贈与税も累進税率ですが、相続税より税率が上がるペースが速くなっています。そのため、引き継ぐ財産の額が同じ場合は相続税より贈与税の方が税率は高くなってしまいます。生前贈与を行う場合には、贈与税の基礎控除額110万円の範囲内や低い税率の範囲内で、複数年に分けて少しずつ生前贈与を行うことが節税になります。
相続対策として“生前贈与”を行わないで、相続を迎えてしまうと、持っていた財産は、全て相続財産となります。有利に財産を承継していくためにも、優先順位を踏まえたうえで、必要な財産以外は相続が開始する前に相続の対象から切り離していきましょう。ただ、贈与・相続にそれぞれ特例もあるため、生前贈与の検討から専門家に相談されることをお勧めします。