贈与の成立
【2025年05月08日】
相談者「生まれたばかりの初孫が大変かわいいです。せっかくなので孫に対して毎年いくらか贈与をしていきたいと思っています。私が孫名義の預金通帳を作ってそちらに振り込み、成人の時にでも渡そうと思っていますが、良いでしょうか?」
弊社ご提案「贈与を成立させるために必要手順を取りましょう。」
贈与とは、財産を渡す側の「あげます」という意思と、受け取る側の「もらいます」という双方の合意に基づき、無償で財産を与える契約行為をいいます。したがって、一方的に財産を渡したとされる場合、贈与は成立しません。贈与を行うというのは契約行為であるため、一定の手続きを要します。双方の合意に基づいたものであること示すためには贈与をする人と受ける人の間で契約書を交わすことも有効です。
祖父母が孫名義の預金通帳を作成してお金を振り込んだだけでは、贈与契約は成立していません。孫が通帳を作成して、キャッシュカードや印鑑を持ち、自由にそのお金を引き出せる状態であれば、贈与は成立しているといえますが、年齢を考えても孫自らの管理でお金を使うことができず、受け取る側の意志が示されていないからです。もし贈与が成立していないとされた場合、成人で渡した時に一括で贈与したことになり、累進課税の高い税率で贈与税がかかることになります。
幼少の孫であっても両親などの親権者が法定代理人となって贈与に同意し、贈与された口座を管理するのであれば、贈与は成立します。今回のご相談では、孫の両親に贈与に同意していただき、贈与契約書を交わしていただきました。