名義預金
【2025年08月08日】
前回のご相談の続きです。
相談者「孫の将来のために、孫の名義の預金通帳を作って私のお金を貯め、成人の時にサプライズで渡そうと思っていました。それまでは伝えずにいようと思いましたが、それより前に私が亡くなった場合は、どのようになるでしょうか?」
弊社ご提案「“名義預金”といって相談者様の相続財産になります。」
“名義預金”とは、形式的には配偶者や子・孫などの名前で預金しているが、収入等から考えれば実質的には親族に名義を借りているに過ぎないものをいい、名義預金になるかどうかは、以下の①~③を参考にして判定します。
① 名義人の収入や財産から見て預金することが可能かどうか
② 贈与の事実を契約書などで証明できるかどうか
③ 名義人がその預金を実質的に管理していたかどうか
さらに「③名義人がその預金を実質的に管理していたかどうか」については、
〇その通帳に使用されている印鑑の所有者は誰か
〇その通帳の届出住所はどこか
〇入出金を行っていた人は誰か
〇通帳・印鑑・キャッシュカードの保管場所はどこだったか
といった事実関係から判定していくことになります。
税務調査が行われた時に否認されやすいパターンがあります。
・専業主婦である妻のへそくり
・子や孫名義での定期積立
・嫁いだ娘の旧姓のまま放置してある預貯金
などがあげられます。また、名義預金を見つけるために、税務調査官が印鑑の印影をとることもあります。
今回のご相談は、贈与が成立できなかった場合に“名義預金”になる可能性が非常に高い事例でした。相続財産を多くお持ちの方だと、相続税額に大きく影響する可能性があります。くれぐれも、名義預金には注意してください。
